TOOLS 調色/性能
¥770
調色の補助ツールであり、塗料の性能を確認できるツールでもある
TOOLSの活用方法をテーマに14ページ小冊子に纏めています
セット内容
・アクリル板 A6サイズ
・小冊子
丈夫で透明な板状ならば代用はできる
レザークラフター必須アイテムっぽいガラス板とか。
クリアファイルとか下敷きとか。代用できるのがあるかも。
使い捨てならサランラップでも良いかも。
リムーバーCで半永久的に使用可能。
言い換えれば無くさない限り半永久なのでは?
というのが「TOOLS調色/性能」の提案
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【編集後記】
■ 調色 Color Maching
個人的には図工や美術は不得意であって、迷いなく嫌いと断言できるジャンルである。今になっては調色のセンスがあるように見られるけど、けっしてそうではない。革の仕上げに対してだけの調色のコツを掴んでいるだけで、あの頃よりも絵が上手くなっているわけでもなく、センスが良くなったわけでも無いと自覚している。業界に入った当初は調色がうまくいかず、当時の上司からの試練のような課題をクリアできずに色をずっと眺めていた記憶がある。ある一定の時期には初回の確認でクリアできるようになっていった。あの頃は嫌がらせだったのか?という疑念を持っていたけど、色が見えているか?見えていないのか?で判断されていたのかなと思う。塗料を垂らして、その裏面で色目を確認して、有機溶剤で剥がす、そのループで経験値を積み上げていきました。実際の革に塗って確認するのは最終段階であって、それまではループを繰り返す。その頃から当たり前のように確認する際に使っているのが手のひらサイズほどの透明なガラス板でした。プライベートレッスンで調色を披露している時に参加者から何を見ているのですか?と聞かれて、自分の当たり前は世間では知られていないのを実感しました。TOOLSではガラス板と同様に使用できるアクリル素材を選定しました。
革の吸い込みや凹凸があるので、その影響で色が見えにくい。塗り加減にも左右されて、毎回違う色に見えてしまう悪循環にもなります。素材のブレに影響されずにフラットな環境で色を見ることで色の違いが見えてきて、その違いを色の足し算と引き算で置き換えることがコツです。個人的な例ですので全員にあてはまらないと思いますが、調色に苦手意識があるのならヒントになると思います。
■ 性能 Performance
車を擦った時に鈑金屋へ頼むほどではないから簡単に目立たなくする感覚であればマジックで塗っておけばよい。自分のモノなら否定はしないし、肯定をする時もあるだろう。しかし、そんな安易な考え方で革の仕上げをするのには加担するつもりは一切ありません。ネガティブ・キャンペーンのつもりもなく、Lized製品と同様に皮革用のスペックをクリアした製品類も流通しています。しかし、まったく話にならない製品類が流通しているのも事実です。それらの判断材料として塗装膜の性能を確認できるのがTOOLのもう1つの役目です。
レザークラフターは販売されている革や革製品が目標であって、ブランドリペアは従来の革の風合いや質感が最低限の目標である。それらは皮革製造専門工場であるタンナーが塗装などの工程で仕上げた革です。タンナーが仕上げた革を目標とするなら、塗装やアイロン・ポリッシングなどのすべての工程で経験値で劣りますね。それなら使用する塗料が同等以上でなければ、目標に近づけるわけがありませんよね。というのがLizedの答えです。
革の吸い込みによって有耶無耶になっている塗装膜の評価をすることで、ご自身の選択肢に間違いないことを確認してください。割れる・剥がれる・色が落ちるような塗装膜は、根本的な欠陥であって、その後のトップコートでは一時的な改善ができたとしても解決にはなりません。
安易に皮革用と謳っている塗料には注意が必要です。他の素材と併せて表記されてあったり、厚く塗ると割れますや厚く塗ると色落ちしますという表記は、革を仕上げるには大きなリスクがあります。
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